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2026.03.03

酸化防止剤無添加なのに2,500円。甘口赤ワイン「人生をサボるワイン。」の開発記

赤ワインを冷蔵庫でキンキンに冷やして、氷を浮かべて、昼間から飲む。
ワイン好きが聞いたら怒りそうな飲み方を、堂々とおすすめするワインを作りました。
酸化防止剤無添加、補糖ゼロ、保存料不使用。ぶどうの力だけで造った一本の開発記です。

── 01

20年前の京都で飲んだ、
あの量り売りワイン

話は約20年前にさかのぼります。京都のある酒屋が独自に開発した量り売りワインを飲んで、衝撃を受けました。こんなワインがあるのか、と。そこから当社独自のレシピで醸造を委託するようになり、2009年には西宮阪急で量り売りとしての販売が始まります。

隔週の土日限定。売り場に立てるのは月にたった4日。それでも1日あたり70本が売れました。正直、最初は数字を疑ったくらいです。でも毎回、同じことが起きる。リピーターが増え、「次はいつ来るの?」と聞かれるようになり、このワインには何か確かなものがあると感じていました。

2014年に販売は終了。ただ、あのワインのことはずっと頭の片隅にあって、時間が経つにつれて「今の時代に合う形で出し直せないか」という気持ちが膨らんでいった。それがこのプロジェクトの始まりです。

── 02

売る側も困っていた

開発を進めるなかで気づいたことがあります。「ワインって難しい」と感じているのは、お客様だけじゃなかった。売り場の従業員も同じように困っていた。

棚にずらっと並ぶボトルはどれも似たような見た目で、産地、品種、ヴィンテージ……聞かれてもうまく答えられない。お客様が「おすすめは?」と聞いてくれても、自信を持って一本を差し出せない。ワインの知識がないと接客できない。これはお客様にとっても、現場にとっても不幸な構造です。

だったら、接客しなくても売れるワインを作ればいい。ラベルを見ただけで「こう飲めばいいのか」とわかる。手に取った瞬間に飲むシーンが浮かぶ。そういう設計から始めようと考えました。

昼から飲んでいい。
氷を入れていい。
炭酸で割っていい。

── 03

「人生をサボるワイン。」という
名前について

この名前を初めて聞いたとき、たぶん多くの人が「ワインっぽくないな」と思うはずです。それが狙いでした。

ワインには「難しそう」「格式が高い」というイメージがどうしてもつきまとう。だからこそ逆方向に振り切りました。「ちょっとだけ気を抜いていい時間」を名前そのもので表現する。背徳感と開放感。真面目にサボる。このワインが提案しているのは、そういう矛盾した心地よさです。

── 04

赤ワインを冷蔵庫に入れてください

赤ワインは常温で。これが業界の常識とされています。でも、このワインに関しては忘れてください。冷蔵庫に入れて、キンキンに冷やして飲むのが一番おいしい。

原料はアメリカ産コンコード種の濃縮果汁を指定輸入しています。コンコード種といえば、ぶどうジュースに使われることでも有名な品種。濃縮しても果実の香りが飛びにくいのが特徴で、冷やすとそのフルーティーな香りがぐっと前に出てきます。甘口なのに後味はすっきりしていて、氷を入れても炭酸で割ってもバランスが崩れません。そこは相当こだわって設計しました。

🍇

補糖ゼロ

ぶどう由来の天然の甘みだけで造っています。

🧪

酸化防止剤無添加

自然派志向の方にも安心の仕上がり。

🧊

冷やして飲む赤

キンキンに冷やすと果実の香りが際立ちます。

🫧

アレンジ自在

氷・炭酸割り・ロックなど好きな飲み方で。

── 05

「甘くて、アルコール10度」の矛盾

ここは少し専門的な話になりますが、このワインの開発で最も苦労したポイントなので書かせてください。

ワインのアルコールは、ぶどうの糖分を酵母が食べることで生まれます。つまり糖分が多ければ甘くなるけれど、酵母がその糖を食べてしまえば甘みは消えてアルコールだけが残る。逆に甘さを残そうとすると、アルコール度数が上がらない。「甘口で、かつアルコール10度」というのは、醸造の世界では本来両立しないオーダーなんです。

しかも補糖はしない。加水も極力抑える。水で薄めない分、原料のコンコード濃縮果汁を豊富に使うことになりますが、それがこのワインの芳醇な果実味と濃縮感の土台になっています。この条件で甘さとアルコール度数を両立させるには、発酵をどのタイミングで止めるかという判断がすべてです。早すぎればアルコールが足りず、遅すぎれば甘みが消える。ここはアルプスワイン様の醸造チームの技術力に完全に頼りました。

甘口ワインにありがちなベタッとした重さもなくしたい、冷やすとフルーティーな香りだけが残るようにしたい。何度もサンプルを出してもらって、ギリギリの調整を繰り返した末にようやく着地しています。

── 06

2,000円以上の酸化防止剤無添加ワインは、
市場に存在しなかった

価格の話をします。

酸化防止剤無添加ワインの売り場を見たことがある方ならわかると思いますが、ほとんどが500円から1,000円前後の価格帯です。作っているのは大手メーカー中心で、「お手頃」「毎日飲める」という方向性。容器には紙パックやペットボトルの採用も多く、結果として「酸化防止剤無添加=安いワイン」というイメージが定着してしまっている。

2,000円以上の酸化防止剤無添加ワインは、私たちが調査した中では見当たらなかった。

その空白に気づいたことも、私たちがこの商品を作るきっかけの一つになりました。

参考小売価格は750ml入りで2,500円(税別)です。この価格はカテゴリーへの挑戦であり、売れるかどうか、当初は確信が持てませんでした。それでもこの価格にしたのは、素材と製法にそれだけのコストをかけているからです。前章で触れたとおり、加水率を極力抑えて原料の果汁を豊富に使い、補糖なしで甘口とアルコール度数を両立させる醸造管理を行っています。「安く作ろうと思えば作れる」ものではありません。そして消費者の側にも、この価格帯を求める理由があると信じていました。特別な日やご褒美には「上質で安心できるものを」と探している方が必ずいる。そういう方に届く酸化防止剤無添加ワインを、作りたかった。

この挑戦が正しかったかどうか、その答えはグラスの中にあります。
ぜひ一度、飲んでみてください。

── 07

購買層の7割が女性という事実

酸化防止剤無添加ワインのデータを見ると、はっきりした傾向があります。

購買層の70%以上が女性。年代別では50〜70代が全体の60%を占めている。この数字はかなり偏っています。

ここから考えたのは、「食事に合うワイン」とは違う届け方ができるんじゃないか、ということです。お酒にそこまで強くないけどワインは好き。添加物はなるべく避けたい。食中酒というよりは、一日の終わりに自分だけの時間をつくる一杯。「ご褒美」という言葉はあまりに使い古されていますが、やっぱりそういう瞬間に届くワインでありたいと思っています。

ちなみに、抜栓してから5日間くらいは品質が持ちます。毎日少しずつ飲んで、味の変化を楽しめる。「ワインは開けたらその日に飲みきらないと」というプレッシャーがないのは、地味ですがけっこう大事な特長です。

商品スペック
商品名
人生をサボるワイン。
タイプ
赤・甘口
容量
750ml
原料
アメリカ産コンコード種(濃縮果汁・指定輸入)
アルコール度数
10%
添加物
酸化防止剤無添加・補糖ゼロ・保存料不使用
おすすめの飲み方
キンキンに冷やして/氷入り/炭酸割り
参考小売価格
2,500円(税別)
醸造
アルプスワイン株式会社(山梨県)
プロデュース
株式会社トランジット

── 08

売り場の話と、これからのこと

販売店には、冷蔵コーナーへの陳列をお勧めしています。常温でも販売・保管はできますが、あえて冷蔵の棚に置いてもらうことで「冷やして飲む赤ワイン」であることが、説明なしでお客様に伝わる。実際、冷蔵コーナーに並べた店舗からの反応は良く、この陳列だけで商品の個性が伝わっている手応えがあります。

ボトルには首かけPOPもつけました。ラベルのデザインと合わせて、店員さんが横にいなくても「どう飲めばいいか」がわかるようにしています。接客なしで売れるワインを作る、というコンセプトは売り場の設計にまで通しました。

今後は化粧箱付きのパッケージも準備中です。ギフト需要も見込めるし、セレクトショップのような場所にも置きやすくなる。自分のための一本と、誰かへの一本。両方の入口を用意していくつもりです。

今日は、
サボりませんか。

冷蔵庫を開けて、グラスに氷を入れて、注ぐだけ。
それだけで始まる、ちょっといい時間があります。

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